Tortoise Shell

デザイン、システム開発、ライフハックについてゆるく書きます

偏見とアンラーニング

OOUI本を読み始めた。正直に言うと、最初は読む必要のない本だとスルーしていた。

なぜなら「オブジェクト指向の概念が分からないデザイナーが、その考え方を理解できるようになる」ためのものだと思っていたからだ。

それ自体はある意味では正しいが、一方で、サーバーサイドエンジニアとして働いている自分にとっては得るものがないと決めつけてかかっていた。

しかし、この認識は誤っていたし、いざ読み始めてみたら、共感するわ、勉強になるわでマーカーを引きまくりだった。

コードを書く文脈で、オブジェクト指向の考えを取り入れることと、UIデザインの文脈でそれを行うことは別物だ。

もちろん、元となる考え方は共通しているのだが、どう活かすかという点では、この本は非常に実用的で、かつ長い年月に耐えうる考え方を身につけることができる。

紹介されているテクニック自体は、振り返ってみればデザイナー時代の私が自然と行なってきたことにも近いが、なぜそうするのか、そもそもどうしてそうすべきか、が言語化されているのは貴重だ。

今後、何回も読み返すことになりそうだ。

そして、こんな経験をしたのは、数年前にデザイン思考の本を読んだとき以来だったと思い出した。

デザイン思考についても、私は当初斜めから見ていて「デザイン思考って、デザイナーが当たり前にやっている思考プロセスを、デザイナーじゃない人がビジネスの文脈で使えるようにする手法でしょ?」と思い込んでいたし、コンサルとかがすごそうな感じを出すために使っているんでしょ?とひねくれた決めつけをしていた。

しかし、実際に本を読んでみると、そんな流行りのテクニックではなく(そう捉えている人も多いのだが)、姿勢の問題であることに気付かされた。

表面的な手法として、プロトタイプがどうのではなく、とにかく人を観察すること。観察して、共感し、そこから洞察を得ること。これに尽きる。つまり、繰り返しにはなるが、テクニックというよりは姿勢なのだ。

このように、デザイン思考も、OOUIも、はじめは偏見を持って一度は敬遠するものの、実際にインプットしてみると刺さるという体験はちょくちょくあるなと思った。

なぜそうなるのかというと、私が天邪鬼な性格で、周りの人がバズワード的に口ずさんでいることは避ける癖がついていること。

また、基本的にベストセラーに触れることは、それらが時の洗礼を受けていないため時間を無駄にする可能性が高く、なるべく古典に触れるほうが学びを得られると思っていること。

これらの習慣、姿勢が組み合わさった結果、似たような経験をすることが何回か起こったのではないかと自己分析している。

今回改めて思ったのは、上記の習慣は姿勢は、それはそれでメリットもあると思っているのだが、こうして実際に損をしたり、また少しベクトルがずれるだけで、新しい変化を嫌い、時代に取り残される人になる危険性も孕んでいる。

今年30歳になったことだし、このような物事に触れる姿勢について、ますます意識的にチューニングしていく必要があると実感した。

これからはますます、偏見を持たずにまず接してみるという柔軟性。そして、自分はそれを既に理解しているだろうという認識を捨てて、積極的に学び直すアンラーニングの考え方。これらを大切にしていこうと思った。