昨日「Unity x ARKit 入門Meetup」というイベントに参加してきました。
わたし自身は、最近VRにハマっているということもあり、ARの方はあまりキャッチアップできていませんでした。
むしろ、ARと聞いても、「ポケモンGO」のイメージしかないような状態でした。
なので、ちょうど良いタイミングで、初心者向けのイベントが開催されていて嬉しかったです。
会場にいらっしゃっていた方は、やはりVR / AR界隈の方が多く、わたしのようにWeb界隈の人は比較的少なかった印象です。
それでも、登壇者のみなさまの発表はとても初心者にも分かりやすく、また楽しい内容だったので感動しました。
この記事では、わたしが個人的に印象に残っているトピックについて、感想を書き残しておきたいと思います。
ARを学び始めるなら「今」感がすごかった
全体を通して、もしARに興味を持っていて、学び始めるなら「今」感がすごかったです。
というのも、スマートフォンや、UnityARKitの進歩も以前と比べれば著しいですし、学習コストも下がってきています。
最初に登壇された @zen_kiMMM さんは、実際に以下の本で学習されたそうです。

Unityの教科書 Unity 2018完全対応版 2D&3Dスマートフォンゲーム入門講座 (Entertainment&IDEA)
- 作者: 北村愛実
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
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まずは「Unityの教科書」で、Unity自体の操作の基本を学び、そのあと「ARKitとUnityではじめるARアプリ開発」で実際にサンプルを作り進めます。
Unityの基本については、以前わたしは悩んで「ひよこ本」の方を選んでいたので、おお!そっちか!という気持ちになりました。笑

Unity2018入門 最新開発環境による簡単3D&2Dゲーム制作
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また「ARKitとUnityではじめるARアプリ開発」では、実際に15個くらいのサンプルを作るということだったので、ARKitで何ができるのかを掴むのにちょうど良さそうですね。
ARユニティちゃん釣りの苦労話
初心者向けの内容として面白かったのが、「ARユニティちゃん釣り」のエピソードでした。
「ARユニティちゃん釣り」作りました!好物のカレーコロッケでホイホイ釣れます。
— ふしっきー (@fusikky) September 29, 2018
ARKitで平面検知、画像トラッキングでコロッケを認識して追跡させるというインタラクションをしています。#ARKit#ImageTracking pic.twitter.com/OzZbi1mKNp
ARユニティちゃん釣りについては、わたしもTwitterでリツイートされていたのを見て、「え!めっちゃかわいい!」と印象に残っていました。
なので、開発の経緯や技術的なお話が聞けたのは、とてもありがたかったです。
例えば、ARKitのことについては何も分からなかったので、「平面検知」「画像認識」といった手法について知れたこと。
開発の際、UnityARKitPluginについて、ドキュメントはそこまで充実していないので、実際のサンプルを見たほうがイメージがつきやすいこと。
このような、これからARの開発にチャレンジしようと思ったとき、ハマり所になりそうな箇所の知見を共有いただけたのは貴重だなと思いました。
カレーコロッケの画像を認識させるとき、スマホサイズの画像では認識されず、結局大きく印刷してつるして写していたというエピソードにも笑ってしまいました。
やっぱりユニティちゃんかわいいよな〜。
AR界隈でのデザイナーのあり方は定まっていない
LTの後は、パネルディスカッションでしたが、個人的には一番面白いコーナーだったと感じました。
ぶっちゃけ話というか、現場の生の声に限りなく近いお話が聞けたような気がしたからです。
その中でも、わたしの胸に刺さったのが「デザイナーとの協働」についてのトピックでした。
どんな業界でもそうだと思いますが、一口にエンジニア・デザイナーといっても、その担当領域は会社によって違うと思います。
例えば、ARアプリを作るとき、モデルを作る人もいれば、空間を設計する人もいるかもしれません。
しかし、登壇者の方々のお話を聞く限りでは、少なくともAR界隈でのデザイナーのあり方については、ほとんど定まっていないのではないかと感じました。
これは、VRやARの業界自体が若く、そこで働くエンジニアやデザイナーの数がまだ少ないことも関係しているのではないでしょうか。
わたしのいるWeb業界においても、初めの頃は、今のような明確な区分は無かったと思います。
それこそ、10年くらい前のFlash全盛期の頃は、ビジュアルやモーションのデザインもして、それを実装にまで落とし込むまで1人のクリエイターが行う場合も珍しくありませんでした。
しかし、Web業界が徐々に成熟していくと、専門性が深まり、現在のような様々な分業のスタイルが確立されていきました。
- UIデザイナー、グラフィックデザイナー、インフォメーション・アーキテクト、など
- フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、インフラエンジニア、など
このように、ARを含め、xR時代のデザイナーのあり方については、まだまだ決まった様式は何も確立されていないし、むしろ今後参入するデザイナーがこれから作り上げていくものなのではないでしょうか。
そう考えると、とてもエモい気持ちになりました。
ちなみに、途中「デザイナーもUnityをさわれるべきだし、エンジニアもUXが分かるべき」というお話がありましたが、わたしもデザイナーとして同感です。
少なくとも、まだまだ業界規模の小さい現在においては、実際に手を動かせることが必要不可欠ですし、かといって技術だけでは優位性を築くことは難しいでしょう。
おわりに
最近はすっかりVRのことばかり見ていたのですが、今回のイベントをきっかけに、ARにも興味が出てきました。
とりあえず、今作っている途中のVRコンテンツが落ち着いたら、「ARKitとUnityではじめるARアプリ開発」でサンプルを作るところから試してみようかなと思いました。