Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

自分は仕事ができるデザイナーだと勘違いしないための心構え

今の会社に転職して、今月で4年目になった。

新卒で入った前の会社は、3年目のときに辞めたので、今のところ現職が一番長いということになる。

4年目といえば、世間の感覚からすれば短いものの、IT業界の基準では「そこそこ長くいる人」に当てはまると思う。

社歴が長くなってくると、ドメイン知識と人脈である程度なんとかなるようになってきて、危機感を抱いたりする。

ドメイン知識というのは、身を置く業界や会社ならではの、特化した知識のことだ。

わたしが思うに、仕事力というのは、次の2つに分類できると思っている。その職種の「汎用的スキル」と「ドメイン知識」だ。

汎用的スキルとは、デザイナーの場合、色彩設計やPhotoshopの使い方など、現場を問わず使える職種としてのスキルのことを指す。

ドメイン知識の定義は前で述べたが、IT業界の場合は、プロダクトの性質や、歴史的背景、社内文化への理解などが挙げられる。

自社サービスを運営している事業会社の場合、ドメイン知識は、汎用的スキルと両輪で重要である。

デザイナーとして汎用的スキルが高い人であっても、新しい会社ですぐに大活躍できるケースは少ない。

なぜなら、特に事業会社の場合は、「何が正しいか」を見極めなければならないからだ。

自社サービスのデザインであれば、プロダクトの性質や会社の文化を理解した上で、実際のビジュアルに落とし込まなければならない。

そのような文脈(ドメイン知識)をキャッチアップするのには、一定の時間がかかる。

だが、ドメイン知識が定着しさえすれば、汎用的スキルと掛け合わせてパフォーマンスが出せるようになってくるのだ。

しかし、ここから気をつけなければならないことがある。

社歴が長くなってくると、ドメイン知識と人脈で大抵のことは何とかなってくるため、何もしなければ成長速度が落ちてしまうのだ。

これは職種を問わず起こり得ることだが、自社のことには詳しいが、一歩外に出ればまったく役に立たない人材というものがいる。

下手にドメイン知識で仕事がこなせてしまう分、自分が市場の中でどの程度の実力があるのかを客観視できず、取り残されるのだ。

わたしも、そうなっているのではないかと、1年ほど前から不安に思うようになった。

社歴が長くなってくると、周りからも詳しい人、頼りになる人と扱われることが増えてきた。

一見すると良いことに思えるが、汎用的スキルの方はあまり伸びているという実感はない。

プロダクトの性質や、歴史的経緯には詳しくなったが、果たしてこの知識は会社の外でも役に立つのかと疑問に思うのである。

もし、わたしがこのままの状態を放置しておいたら、どうなるだろうか。

今の会社では重宝され続けるかもしれないが、転職した時に果たしてそこでも活躍することができるだろうか。一考する価値はあると思っている。

もちろん、ドメイン知識が多くなってくることが、悪いと言っているわけではない。

同じ環境に長くいるのは悪いことで、積極的に転職してステップアップしましょうと言っているわけでもない。

ただし、定期的にドメイン知識を抽象化して、汎用的知識として昇華させることは大切なのではないだろうか。

4年前に読んだ「外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術」でも、ただ読書をするだけでは物知りになるだけで、知識は抽象化することで初めて使えるものになると述べられていた。

ドメイン知識は、専門性を身につけているといえば聞こえはいいが、悪く捉えれば「そこでしか使えない知識」に他ならない。

定期的に「この知識・経験から得られる教訓はあるのか?」とメタ認知を行うことで、どこでも使えるオリジナルの知識を手に入れよう。

そうすることで、初めて市場の中で評価あれる、デザイナーとしてのオリジナルの知識が手に入るのではないだろうか。

そして、ドメイン知識にあぐらをかいて惰性で仕事をこなすのではなく、若手の頃の気持ちを忘れず、汎用的スキルにも目を向けて牙を研ぎ続けること。

心技体という言葉のように、全てのバランスを取りながら、常に自分を進化させる気持ちで日々を過ごしたいものだ。

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術

  • 作者:山口 周
  • 発売日: 2015/10/20
  • メディア: Kindle版