Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

デザイナーの給与の上げ方について考える

上司との1on1で、「今後どうやって給料を上げていきましょうか?」という話を、よくしてもらうようになった。

今の会社に入ってもうすぐ3年だけど、1年目はジュニアクラス、2年目はリーダークラスとステップアップし、今はスペシャリストかマネージャーかの分岐点といったところだ。

色々悩んだ結果、今月からマネージャーとしてやっていくことなったけれど、マネジメントを追求する覚悟はできていない。

まず半年は頑張ってみるつもりだが、やっぱり違うなと思って、別の道を選ぶかもしれない。

そんなキャリアの分岐点に入って、デザイナーの給与の上げ方について思うところがあるので、考えをまとめてみたいと思う。

年収と実力はあまり関係ない

大前提として、年収と実力はあまり関係ない。このことに気づいたときは、目から鱗が落ちるようだった。

学生時代のわたしは、デザイナーとして実力をつけていけば、比例して年収も上がっていくのだと信じていた。

また制作会社のデザイナーは、商品が制作(デザイン作業)そのものなので、デザイナーとして実力をつければ年収も上がるという錯覚に囚われやすい気がする。

しかし、会社やビジネスの仕組みを知ると、必ずしもそうでないことが分かる。

そもそも、会社には昇給原資というものがあり、「このぐらいは従業員の昇給に使える」という金額はあらかじめ決まっているのだ。

そのため、儲かっている会社を選ぶことが大切だ。儲かっていなければ、会社は昇給原資にお金を回すことができないからだ。

いくらスキル面で飛ぶ鳥を落とす勢いで成長したところで、比例して年収が上がるということはあり得ない。

もちろん、スキル面で成長し会社に貢献すれば給料は上がるが、「昇給原資のレンジの中で」という前提を忘れてはならない。

年収アップだけを目的とするなら、デザイナーとしての実力を上げるよりも、ビジネスモデル的に儲かりやすい業界に身を置くことが最も近道である。

いかにレバレッジを効かせるか

デザイナーという職種を問わず、会社の中で給与を上げていくのであれば、いかにレバレッジを効かせるかが鍵となる。

会社というものは、組織をつくり経済行為を通して、利益を得ることを根本的な目的としている。

よって、局所的な動きよりも、全体に影響を与えるような動きの方が評価される。

一般的に、マネージャーが通常のメンバーよりも高い給与をもらっているのは、その職務がレバレッジを効かせやすいからだ。

組織というものは、組織図などを見ると整理されているように見えるが、実際には有機的であり必ずしも合理的には動かない。

例えば、その時々の課題があってプロジェクトやチームが発足するが、実は同じ物事を違う視点から見ているだけだったりする。

なので、そこは一緒にやった方が良いのではないか、あるいは別々に分けた方が良いのではと提案したりする。

こうして広い範囲に働きかけることによって、全体最適をはかり、結果的にレバレッジを効かせて生産性を高めることができる。

これはマネージャーの例にすぎないが、要するにレバレッジを効かせることが大切だ。

デザイナーとしてそれをやろうとすれば、より事業に寄っていって戦略から関われるようにしたり、ブランディングのような全社に関わるような動きが考えられる。

いずれにせよ、ひとつのチームや案件を対象に、局所的なところをやっていても、そこまで給与を上げることはできないだろう。

選択肢はいくつもある

ここまで書いた内容だけでは、実力よりもどこに身を置くか、あるいはどう振る舞うかが大切という話に聞こえるかもしれない。

しかし、デザイナーとしてスキルを高めることを軽視しているわけではなく、そもそもそれは大前提だと考えている。

そして、忘れてはならないのは、選択肢はいくつもあるということだ。

上述してきたのは、会社員としてのデザイナーの話だが、他にも起業したり、フリーランスになったり、会社員をしながら副業したりと、給与を上げる方法はいくつもある。

デザイナーとしてスキルを高めることは、その選択肢を拡げることに、大きく役立つと思う。

スキルというのは、直接的な制作スキルもそうだし、マネジメントもひとつのスキルとしてフラットに扱うこともできるだろう。

いずれにせよ、常に牙を研ぎ続けておくということが大切だ。

ただし、会社員の例でもあったように、ただがむしゃらにスキルを磨いていても気づかないこともある。

当たり前の話かもしれないが、デザイナーの仕事というのは、社会という大きなシステムの中で成り立っている。

デザイナーの仕事は、どうやって発生するのか、どのようなシステムの上で成り立っているのか。

ここを知りに行くことが、効率よく給与を上げていくための近道につながるだろう。

おわりに

今回はデザイナーの給与の上げ方を切り口にしたが、給与の上げ方は、キャリアとセットで語られることが多いだろう。

キャリアについて、わたしはこれまで「ひたすら興味のあることに取り組み続けろ。そうして振り返った時にできているのがキャリアだ。」という考え方をしていた。

しかし、いざ実際に分岐点に立ってみたり、ライフステージの変化を経験すると、やはり考えずにはいられなくなった。

このあたりの話については、もはや一定の正解はない世界で、自分で答えを見つけていくしかない。

わたし自身も、とにかく牙を磨き続ける意識は忘れないようにして、良い人生を歩めるように努力していきたいと思う。