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デザイン、システム開発、ライフハックについてゆるく書きます

デザインエンジニアは、トレンドではなく現象

デザインエンジニア、UXエンジニアという職種を置いている会社を、ぽつぽつと見るようになった。そうした職種を新設したというブログの記事や、ジョブディスクリプションを見てみると、デザインとエンジニアリングの橋渡しをするロールとして置かれていることが多い。

こうした職種は、新たなトレンドのようにも思えるが、そうではないと私は思う。トレンドではなく、現象なのだと。というのも、ソフトウェア開発の文脈において、デザインとエンジニアリングの工程はそもそも地続きだ。

では、現実はなぜそうなっていないのかというと、市場の拡大と業界の成熟化が進むにつれて、分業化が進んだためだろう。

初めの頃は、ソフトウェアのUIデザインは専門職として切り出されておらず、開発者が自然にそれを行なっていた。だから、デザインとエンジニアリングの橋渡しといったところで、越境ということではないのだ。境目なんて、そもそも無かったのだから。

ソフトウェア開発とは有機的なプロセスであるにも関わらず、設計図があるものを忠実に作る工場の価値観をそのまま当てはめ、分業化が進んだ結果が、昨今のデザイナーとエンジニアの協業問題として表出化している。

その揺り戻しが、デザインエンジニアという存在なのだ。つまり、トレンドではなく、自然現象である。人工的な分業化による歪みを是正すべく、ソフトウェア開発の組織が生み出した抗体なのだ。