最近は、ネット上で便利な配色ツールが出てきている。しかし、デザイナーを志すなら、ツールに頼らない色彩感覚を身につける必要がある。
そもそも、配色ツールでは適切な配色が導き出せないからだ。
配色ツールから導き出したパターンは、目安にはなるかもしれないが、その通りにやってバランスのよい配色にはなるとは限らない。
これほどコンピュータが進歩した時代になっても、配色を完全に機械的に導き出すことは難しい。
配色は、白・黒などの無彩色のバランスや明度差、色が用いられている面積、素材(テクスチャ)などによっても大きく印象が変わる。
これらの要素が組み合わさり、配色理論的に合わないとされていても、美しい作品に昇華させられる場合もある。
反対に、理論的には適切に見えても、無彩色とのバランスや明度差なども考慮せず、何となく色をつけていった結果、ダサい作品になることも多い。
配色ツールは、あくまで「コンパス」くらいにとどめておくべきだ。人が「美しい」「綺麗だ」と感じる配色には、原理があるし、そのスキームも調べれば簡単に知れるだろう。
配色ツールは、そうしたスキームを落とし込んだ便利なツールだからだ。
しかし、本当に適切な配色を行いたいのであれば、配色原理を学び実践によって訓練を重ねる必要がある。