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『CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド』を読んだ

表題の本を読み終わりました。タイトルの通り、ソフトウェア開発者のキャリアについて広く触れられており、カジュアルに読める一冊でした。その中でも、さっそく取り入れたいポイントや、印象に残ったポイントをまとめておこうと思います。

フリーランスになる場合の時給

フリーランスになる場合、サラリーマン時代の時給換算で、ちょうど2倍くらい稼がないと割に合わないようです。そういえば、前職のエンジニアの同僚からも同じことを聞いた事があり、ひょっとすると、その方もこの本を読んでいたのかもしれません。

フリーランスになれば、額面上は高い報酬を得られるようになり、稼げているように錯覚しやすいでしょう。しかし、日本ではサラリーマンは優遇されていて、社会保障や税金をはじめ、福利厚生など多くのメリットを無意識に享受できています。

また、会社が正社員を1人雇う場合、だいたいその人の給料の2倍のコストがかかっているともよく言われますよね。一概に当てはまらないかもしれませんが、少なくとも感覚としては2倍稼がないといけない、というのは正しいのかもしれません。

コーディングスキルのコモディティ化

オフショアによって、単純にコードを書けるだけのエンジニアは、以前よりも価値が低くなってしまいました。

では会社に属してエンジニアをやる上での強みは何かというと、業界や自社プロダクトに関するドメイン知識でしょう。その上で、ステークホルダーとのコミュニケーションが取れて、要件を正しいソリューションへと翻訳できる。それができて価値のあるエンジニアと呼べるのであって、言われた通りにコードを書くだけであれば、代替できる人材としてすぐに切られてしまう。

なかなかグサっと来ました。笑

とはいえ、デザイナーの頃にも同じような言説を目にしていたので、職種を問わずこうした側面はあるのでしょう。どんなスキルであっても、法律で規制をかけてでもいない限りは、スキル自体は必ずコモディティ化していくのでしょう。

サイドプロジェクトに取り組む

キャリアを伸ばす最良の方法は「サイドプロジェクトに取り組むこと」と触れられていました。サイドプロジェクトをやることで、業務では触れられないスキルが身につくし、それを掛け合わせて新しい可能性も見出せます。

とはいえ、何をやれば良いのか思いつかないのであれば、既に存在するサービスのクローンを作るのがおすすめなのだそうです。

わたしにも覚えがあります。去年まで趣味でVRゲームを作っていた時にも、まずは本の中で作るサンプルを少し変えただけのゲームを作りました。その後で、少しずつできることを増やしていって、オリジナルに近いものを作ることができました。

クローンといっても、視点や見せ方を少し変えるだけで、オリジナリティを発揮する機会は残っているのでしょう。散々当てこすられた例ですが、Twitterだって「短い文章しか投稿できないブログ」とも言い切れますしね。

おわりに

書かれている内容に目新しさはありませんでしたが、適度にモチベーションを上げてくれる良い本だと思いました。著者自身も述べていますが、扱っているテクニックは普遍的であり、長期間に渡って役立つコンテンツになっています。

エンジニアとしてのキャリアに悩む人はもちろん、物作りに関わる全ての職種におすすめできる一冊だと思いました。