Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くエンジニアが、デザインやプログラミング、ライフハックについてゆるく書くブログです。

事業会社のデザイナーはポートフォリオに載せるものがないのか

随分前のことだが、クックパッドの宇野さんが、事業会社のデザイナーのポートフォリオについて述べられていた。

ツイートに共感すると共に、わたしなりに以前から考えていたことがあったので、いつかブログに書こうと思ってそのままになっていた。

事業会社のデザイナーとして、ポートフォリオを作りづらいと感じていたのは、わたしもそうであった。

載せるものがないというのは大げさだが、分かりやすくビジュアルでぶん殴る、みたいなアプローチは取りづらいように思える。

受託制作であれば、様々な案件に関わることができるので、ポートフォリオにもたくさんの作品を載せることができる。

一方で、事業会社の中でデザイナーとして働いていると、だいたいの場合はひとつのプロダクトにずっと集中している。

例外があるとすれば、0→1で新規プロダクトをやるときくらいだろう。

また創業期からいるデザイナーでもなければ、既存のトンマナを踏襲してデザインすることになるので、アウトプットも地味になりやすい。

ポートフォリオという言葉は、投資の文脈では「銘柄の組み合わせ」といった意味合いを持つ。

その意味では、事業会社のデザイナーは、1つのカゴに卵を持るという投資のアンチパターンを踏んでいると言えなくもない。

もし大学や専門学校でデザインを学んで、新卒で入った会社が事業会社だった場合、初めての転職活動では混乱するだろう。

わたしもそうであったが、学生時代に作るポートフォリオは、様々な課題や自主制作を組み合わせて作るものだと指導される。

しかし、事業会社に入って施策単位でデザインしていると、関わるプロダクトとしては1つか2つしかないし、同じようなトンマナのデザインばかりになってしまう。

そのため、そもそもポートフォリオの見せ方を変えなければならない。

これまでやってきたような、ビジュアルでぶん殴るやり方が取れないのであれば、次のような内容を入れると良いだろう。

そのデザインによって、何を解決しようとしたのか。どんなアプローチを取ったのか。答えに至るまでの中間成果物。なぜ最終的にその案にしたのか。定性面、定量面での効果はどうだったのか。

このあたりまで書けると、とてもグッドだ。

このように、考えようによっては載せるものが無いわけではないのだが、やはりビジュアルでぶん殴れないのは単純に寂しい。

例えば、わたしが直近の転職用に作っていたポートフォリオも、特定のプロダクトの色ばかりになってしまって、なんというか賑やかさに欠けていた。

もちろん、案件ごとに様々な背景があり性質も異なるのだが、はたから見れば同じように見えてしまう。

なんだかんだで、ビジュアルでぶん殴るのが一番分かりやすいし、理屈でどうこう言っている人がいても、無意識下ではビジュアルに左右される。

ではどうすれば良いのかというと、例えばコンセプトアートを勝手に作るのは、ひとつの手だ。

あるいは、副業やプライベートワークを混ぜるのも有効だろう。

わたしの場合は、趣味で作っていたゲームや、プライベートのプロジェクトを入れることで、何とか賑やかさを取り戻すことができた。

思い返せば、もう少し副業はやっても良かったかもしれない。

ただし、もしプレイヤーとしてまだ一人前でないのであれば、本業で安定してパフォーマスを出せるようになるまでは控えた方が良いだろう。

体力に自信があるなら良いかもしれないが、単純に負荷が高くて大変だと思う。