『音のアーキテクチャ展』に行ってきました。
会場は六本木の21_21 DESIGN SIGHTです。21_21 DESIGN SIGHTには、何だかんだで数ヶ月に一度は必ず来ているような気がします。
展示企画はいつも面白いし、会場も広すぎず狭すぎずで、疲れないところが好きなんですよね。
大きめの美術館とか博物館に行くと、いつもバテてしまうので。
さて、今回の『音のアーキテクチャ展』ですが、まずはメインビジュアルから既に格好良くて最高でした。
ひょっとして、このメインビジュアルの格好よさが無ければ、「よし行くぞ!」と思っていなかったかもしれません。
ビジュアルの力、大事ですよね。こういう幾何学テイストのデザイン、とても好きです。
最初に『音のアーキテクチャ展』という名前を目にしたときには、難解なメディアアートかとイメージしていました。
自分のような、特に音楽にもメディアアートにも詳しくない人が行っても、楽しめるのかどうか不安に思っていました。
しかし、実際に訪れてみると、カジュアルにも楽しめる展示になっていたと思います。
展示内容の概要としては、次のようなものです。
本展では、ミュージシャンの小山田圭吾(Cornelius)が展覧会のために書き下ろした新曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、気鋭の作家たちがそれぞれの視点から解釈し、映像作品を制作します。
参加作家は、映像、アニメーション、ダンス、グラフィック、広告、イラストレーション、プログラミング、メディアデザインなどの領域を横断しながら、多彩な感性をもって新しい表現に取り組む9組です。
公式サイトから抜粋
上記にあるように、『AUDIO ARCHITECTURE』という曲をテーマにして、9組のアーティストがそれぞれ映像作品を制作しています。
入場すると、すぐにこの『AUDIO ARCHITECTURE』が流れてくるのですが、この曲がとにかく格好いい。
シンプルでありながらもメリハリがついていて、かつところどころに細やかなテクニックが散りばめられているので、曲の変化を楽しみながら何度でも聴きたくなってしまいます。
メインの部屋に入ると、巨大な横長のスクリーンが配置されており、その中で先ほどの9組のアーティストによる映像作品が順番に上映されます。
さすがに、様々な分野の9組が制作したということもあって、同じ曲をテーマにした映像作品なのに、そのテイストはまったくのバラバラです。
ちょっとシュールなアニメーションもあれば、processingのようなCG、またはアナログ表現まで。
さて、9組分の作品を見ようと思うと、当然ながら『AUDIO ARCHITECTURE』を最低9回は聴くことになります。
しかし、まったく飽きることがありません。むしろ、ずっとその場にいて聴き続けていたいぐらいでした。
最初に訪れたときに上映されている作品によっては、難解なものもあるので、タイミングによっては「なんだこの展示?」と思うかもしれません。
実際に、わたしもしばらくは「?」状態でした。
しかし、再生され続けている『AUDIO ARCHITECTURE』をよく聴いていると、歌詞の一言一言の意味に気がつきます。
shape(形状)、time(時間)、space(空間)、emotion(感情)、soul(魂)
そこで、この曲の趣旨に初めて気がつくことになるのです。
曲名の『AUDIO ARCHITECTURE』は、直訳すると「音の構造」であり、歌詞には音という構造物を構成する要素が散りばめられていたというわけです。
この意味が理解できてから、途端におーっ!と感銘を受けました。
公式サイトの概要にも、以下のような紹介があります。
私たちが普段なにげなく親しんでいる音楽は、音色や音域、音量、リズムといった様々な要素によって緻密にデザインされた構造物(アーキテクチャ)であると言えます。
しかし、日常の中でその成り立ちや構造について特別に意識する機会は少ないのではないでしょうか。
公式サイトから抜粋
まさしく、音楽の構造を、視覚や聴覚で鮮明に感じることができる展示内容でした。
とても面白い展示なので、みなさんもぜひ行ってみてくださいね。