Webサイトやアプリのデザインに携わってると、トレンドのあまりの移り変わりの速さに、「あれも勉強しなきゃ!これもやらなきゃ!」と強迫観念のように感じて、疲れてしまっている人は多いのではないでしょうか。
そんな努力家な「スキルアップ症候群」のデザイナーの方こそ、もう一度「デザインの目的」について見なおしてみてはいかがでしょうか。
依頼する側の視点から、デザインの目的はなにか考える
何を勉強していくかということは、デザインの目的に応じて決まります。
あなたがどんなデザイナーになって、どんなデザインで価値を提供したいのかを常に意識しておく必要があるでしょう。
また、それ以前に「世の中は、何を求めているか」というニーズを掴むことが最も重要です。
例えば、Web制作やグラフィック制作にしても、クライアントから受ける依頼としては「Webサイトを作りたい」という文脈になるかもしれませんが、当然そのバックグラウンドには色々な狙いがあります。
それは「売上を何%あげたい」とか、「認知度を上げてサイトへのアクセス数を何%上げたい」といったことかもしれません。
ただ、確かなことは、ほとんどの場合「作ることそのもの」が目的では無いということです。
そのトピックについて勉強する意味はあるか
だからこそ、「これからはこんなスキルを覚えなければいけない」「こんなツールを使わなければ遅れてしまう」という考えは、もちろん大切なことではありますが、あくまで手段であるということを忘れてはいけません。
もちろん、新しいスキルをどんどん吸収していくこと自体が好きで、まったく苦ではないということであれば、それは素晴らしいことです。
むしろ、そうなっていれば最強ですよね!
ですが、手段と目的が入れ替わってしまい、デザインでどういった価値を生み出すのかといったことよりも、いつの間にか最新のスキルやフレームワークを追いかけることがメインになってしまっては良くないでしょう。
あくまで、最初に「それを作ることで、どんな目的を達成したいか」ということを意識したうえで、それを円滑に達成するために最新の技術をどんどん取り入れましょう!っというのが健全な姿ではないでしょうか。
何を作るかではなく、作ってどうするか
「スキルアップ症候群」で、もし必要以上に苦しんでしまい、デザインが楽しめなくなってしまっている…という時には、「何を作るか」ではなく「作ってどうするか」という考えに切り替えることで、ポジティブな制作を行うことができます。
例えばWeb制作であれば、顧客の目的は前述のように、あくまで「売上を何%アップしたい」というものかもしれません。
そうしてゼロベースで案件を捉え直すと、Webサイトを作ることだけが全てでは無いということに気が付きます。
すると、「商品と一緒にこういうチラシも入れておいたら、リピート率が上がって、LTVの向上が見込めますよ!」とチラシ(紙媒体)のデザインも提案して、よりお客さんの役に立てるかもしれませんね。
まとめ
ということで、スキルアップ症候群のデザイナーこそもう一度見直したい「デザインの目的」についてお送りしました。
もし、あなたが「あれもやらなきゃ!これもやらなきゃ!」と必要以上に苦しんでいるのであれば、まずは自分がどんなデザイナーになって、どんなデザインをやりたいかを書き出してみること。
そして、その理想に向かって役立つスキルを逆算して取り入れるという形にすれば、ポジティブに勉強が続けられるのではないでしょうか。