「何となくネットサーフィンしていただけなのに、気がつけば衝動買いしてしまった…」なんてこと、あなたも一回はご経験があるのではないでしょうか。
このとき、あなたは単に「衝動買いしてしまっただけ」と思っているかもしれませんが、巧みに説得され、購入まで誘導されている可能性があります。
今回は、そんなセールスコピーライティングの要素について、デザイナーでも知っておきたい知識をご紹介します。
商品を売り込むのにも王道パターンが存在する
マーケティングやコピーライティングに触れる機会が無ければなかなか気が付きにくいことですが、商品を売り込むにあたり、セールスページにはしっかりとした「型」が存在するのです。
デザイン同様、コピーライティングにも王道パターンが存在するのです。
マーケターやコピーライターは、わたしたちデザイナーがレイアウトや配色を王道パターンに従って決めるのと同じように、商品を購入させるためのコピーライティングを行っています。
販売のための要素を順番に配置する
では、商品を販売するために、どのようなテクニックが用いられているのでしょうか?
それは、販売のための「要素」を順番に配置し、それにしたがって文章を設計することです。
例えば、多くのセールスページでは、下記のような要素が順番に用いられています。
1.興味
いわゆる派手なヘッダー画像やそれに含まれるキャッチコピーは、この要素に含まれます。
具体的な数字や逆説を用いることでユーザーの興味を引き、続きを読んでもらうことが最大の目標となります。
キャッチコピーであれば、例えば次のようなコピーが該当します。
「たった1ヶ月で偏差値が20もアップ!?山田式東大受験メソッド」(具体性)
「健康になりたければ、今すぐ医者に行くのをやめなさい」(逆説)
2.想像欲求
1.興味でユーザーにセールスページの続きを読む気にさせたら、次は具体的なベネフィット(利益)を提示することで、「この商品を手に入れればこんなに素晴らしい未来が待っているんだ」という気持ちにさせます。
食品であれば、それを食べることで笑顔になっている家族や子どもの写真などが有効です。
また「ブレット」といって、箇条書きでメリットをとにかく沢山載せることで、ユーザーが1つでも引っかかるようにするテクニックも頻繁に用いられます。
3.比較
ユーザーの興味を引き、商品を手に入れることで得られる素晴らしい未来を提示できたら、今度は「比較」の要素を埋めていきます。
「1.興味」と「2.想像欲求」が攻めの要素であるならば、この「3.比較」以降は守りの要素であると言えるでしょう。
なぜかというと、「1.興味」と「2.想像欲求」が満たされた状態のユーザーが次に何を考えるのかというと、「他で買ったほうが安いんじゃないか?」「他で買った方が品質がいいんじゃないか?」ということです。
よってここでは、競合と比較して、なぜうちで商品を買うべきなのかということを説得する必要があります。
4.決定
最後に、ユーザーに商品の購入を決定させるための要素を入れて完成となります。
具体的には、「緊急性」「限定性」を用いることで、ユーザーを行動させることができます。
例えば、次のようなコピーが該当します。
「あと残り10個で売り切れとなります!次回入荷日は未定です。」(緊急性)
「このページから購入してくださった方限定!明日の23:59まで10%オフ!」(限定性)
この要素を入れておくことで、「また今度気が向いたら買えばいいかな…」と考えて離脱してしまうユーザーを引き止め、購入してもらえる可能性がぐっと上がるのです。
おわりに
以上、デザイナーも知っておきたい、セールスコピーライティングの要素についてお届けしました。
コピーライティングは社内のマーケターやクライアントの仕事だから自分には関係無い…と思うなかれ。
デザイナーも、こうしたセールスページの型を知っておくことで、コピーライティングの意図を汲み取ってデザインすることで効果を最大化できるようになりますし、マーケターとの意思疎通にも共通言語として役に立つのです。
また、今回はざっくり4つの要素に分けて説明しましたが、本当はもっと細かく12個ぐらいに分解することができます。
興味のある方には、入門として「影響力の武器」などがおすすめです。
今度はぜひ、ネットで何か商品を買う際に「どういう流れで販売しようとしているのかな?」ということを意識してみると、なかなかおもしろいですよ。