アプリケーションのUIをデザインする際には、「情報の密度」のバランスが重要なポイントとなる。
なぜ、わたしたちは複雑なアプリを使いこなせるのか
わたしたちは普段、当たり前のようにアプリケーションを使いこなしている。
いっけん複雑な操作を連続で行っているように見えるが、分解すれば、単純な操作を1つずつ行っているに過ぎない。
1つ1つの操作が分かりやすく設計されているから、ユーザーはアプリケーションの一連を体験し、総括として使いやすいアプリケーションだと判断する。
使いやすいと思ってもらえるアプリをデザインしたいなら、地味に思える細かい操作の1つ1つを注意深くデザインするべきだ。
たった1つのデザインのミスが命取りになる
あるタスクをユーザーに操作させたいときに、たった1つのタップの挙動を間違えてデザインしてしまっただけでも、ユーザーは「使いにくい」と判断し操作をやめてしまう。
ユーザーの操作がもたらすシステムとのやり取りの最小単位を「マイクロインタラクション」と呼ぶ。

マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部
- 作者: Dan Saffer,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/03/19
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情報の密度を確認する
マイクロインタラクションは操作の最小単位だが、それだけを見ていても、使いやすいアプリケーションはできない。
UIデザインでは、細部と全体を行ったり来たりしながら詰めていくことが重要だ。
マイクロインタラクションの前にやるべきことが、まず1つの画面について、ぱっと見で「情報の密度が過多ではないか」という確認することである。
1つの画面の情報量が多すぎる場合、どうやって操作したらいいのか、迷わせる原因になる。
わかりやすい例として、マジカルナンバーは有名だ。人間が瞬間的に記憶できる情報の最大数は、7プラスマイナスまで、という認知心理学の用語である。
例えば、Webサイトのグローバルナビゲーションなどは、メニューの数をマジカルナンバーに収める場合が多い。