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Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

FinTech業界で挑み続けるデザイナーの姿に感動!(UI Crunch #11 金融業界に革命を起こす、FinTechスタートアップのUIデザイン)

UI Crunch #11に「ブログ参加枠」で参加してきました!

ui-crunch.connpass.com

今回のテーマは「金融業界に革命を起こす、FinTechスタートアップのUIデザイン」です。

FinTechといえば今最もホットな分野の1つではないでしょうか。

そんなFinTech業界で挑み続けるデザイナーたちは、いったい何を想いサービスをデザインしているのか…。

発表をお聞きし、特に印象に残った「株式会社FOLIO 広野さん」「株式会社バンク 河原さん」の発表について書き留めておきたいと思います。

理由なき免責事項は滅ぶべし

3番目に登壇された株式会社FOLIOの広野さんは、「法とクリエイティブの対位法」というタイトルでお話くださいました。

タイトルにある「対位法」とは、音楽の中でそれぞれのパートが主役と脇役で分かれておらず、カエルの歌のように対等にハーモニーを奏でる音楽理論のことです。

誰々が言ってたから…は思考停止

広野さんのお話の中で、最も印象に残った言葉があります。

それは「理由なき免責事項は滅ぶべし」というものです。

昨今、多くの開発現場では、UIデザインにおいても定性・定量調査や分析を用いたロジカルな改善方法が実施されています。

つまり「しっかりとした理由(根拠)」を元にデザインが行われるようになり、「理由のないUIは良くないよね」という風潮になってきたのです。

しかしながら、免責事項など法律が関わる部分に関しては、まだまだおざなりになっています。

広野さんは「コンプライアンス担当が言っていたから」といって渡された文面をそのままデザインに組み込んでしまうのは「思考停止」であるとおっしゃっていました。

この言葉にはとてもハッとさせられました。

わたしも、これまで会社やプライベートでWebサービスを作る中で、UIやビジュアルデザインにはこだわるくせに、特商法やプライバシーポリシーといったページは「適当にそれっぽく」スタイルを整えて読みやすくして…という感じで済ませてしまっていたからです。

しかしFOLIOのような投資に関するサービスをデザインする場合、ただコンプライアンス担当に言われるがままに免責事項を取り入れようとすると、あらゆるところで免責事項を入れなければならずカオスなサービスになってしまうのです。

それは本当に必要なの?と問い続ける姿勢

広野さんは、コンプライアンス担当から渡された文面の多さに驚愕し、「どうしてこれが必要なの?」「それは本当に必要なの?」といったことを確認されたそうです。

またサービス上の利用規約等についても、1つ1つの項目をすべてチェックし、分かりやすくできないかを突き詰めて検討したとのことでした。

あらためて、こうした「それは本当に必要なの?」と問い続ける姿勢は、デザイナーにとって重要だと思いました。

先日読み返した「誰のためのデザイン?」という本にもあったのですが、「デザイナーは、与えられた問題を解決しようとせず、本当の問題を見極めて解決する」というニュアンスの言葉が書かれていました。 

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

 

そんな中、FOLIOの場合は、投資という難しいテーマを扱っています。

諸外国と比べても投資アレルギーの強い日本人に「どうすれば、もっと気軽に投資を楽しく、分かりやすく使ってもらえるようになるだろうか?」ということを考えていらっしゃいます。

このように、本質的な課題を突き詰めて考える、デザイナーとしての姿勢が本当にかっこいいなと感動しました。

ポジティブなお金の表現の難しさ

先ほどの広野さんの次に登壇された株式会社バンクの河原さんは「ポジティブなお金の表現」というタイトルでお話くださいました。

サービスにおける「雰囲気作り」の重要性

河原さんのお話の中で印象的だったのが、色の使い方についての話題でした。

CASHではメインカラーとして黄色を使っています。

黄色はお金のメタファーとしてよく用いられますが、同時に色として温かみを持たせることもできます。

金融系に限らず、お堅いサービスだと青色がよく使われていますが、もしCASHも青色をメインカラーにして構成すると、なんとなく機械的な印象になってしまうのです。

しかし、黄色を使う事で温かみが生まれます。

ただし黄色の使い方にも注意が必要で、例えば黄色と黒を半分ずつ使った場合、蜂や工事現場のような強すぎる印象を与えてしまいます。

そこで、間にグレーやパステルカラーを差し込み抜け感を作ることで、優しい印象にすることができたのだそうです。

デザイナーこそ、サービスの裏ボスである

こうしたお話を伺っていると、使いやすいユーザインタフェースの設計はもとより、その上位概念としての「デザインの思想」が、サービスの持つ雰囲気を大きく左右するのだということが分かりました。

確かに、もしもCASHのメインカラーが黄色ではなかったら、わたしたちが持った印象は大きく変わっていたかもしれません。

FinTech業界に限らず、昨今では様々な革新的なサービスが出現してきています。

そうしたサービスが成功したとき、注目されるのはやはりCEOですが、今回の河原さんのお話を聞いて1つ思ったことがあります。

それは、サービスのラスボスはCEOかもしれませんが、裏ボスはデザイナーなんだなということです。笑

もし、これからCASHや株式会社バンクがさらに有名になっても、そのことは忘れないと思います。

おわりに

最初は「今ホットな話題だから」というくらいのミーハーな気持ちで参加していたのですが、実際に登壇された方々のお話を聞くと大きく心を動かされました。

あらためて、デザイナーのあるべき姿に想いをはせるとともに、FinTech業界で挑み続けるデザイナーの姿に感動しました。

UI Crunch、次回開催されたときもぜひ参加応募したいと思います!

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