Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

マーケティングとは知覚の戦い?「ググる」と言われるようになるまで

先日読んだ「売れるもマーケ 当たるもマーケ - マーケティング22の法則」という本がとても面白かったので、ご紹介します。

なかなか有名な本らしく、電通では必読書とも言われているそうです。(「読書を仕事につなげる技術」の中で紹介されていました。)

今回は、読んだ中でわたしが印象に残った部分についてご紹介したいと思います。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

  • 作者: アルライズ,ジャックトラウト,Al Ries,Jack Trout,新井喜美夫
  • 出版社/メーカー: 東急エージェンシー出版部
  • 発売日: 1994/01/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 17人 クリック: 250回
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名著だが、タイトルで損している?

この本、マーケティングの本質について知れる、かなりの名著です。

しかし、個人的にタイトルと中身との間にかなりギャップがある本だと思っていて、特に「タイトルで損しているのでは?」と思ってしまいました。

というのも、「○○の法則」「○○のコツ」「○○の方法」というタイトルを見ると、割とテクニック寄りの浅い内容なのかと勘違いしそうになりませんか?

例えば、ネットでよく見る「コピペで簡単!CSSだけで再現できる22のテクニック☆」みたいな。

これ、翻訳前の原題は何なんだろう。もろもろ計算した上での命名なのかなぁ…。

マーケティングとは知覚の戦い

というわけで、前置きが長くなってしまいました。

この本の中で、わたしが最も衝撃を受けたのは、「マーケティングとは商品の戦いではなく、知覚の戦いである」ということです。

というのも、マーケティングというと、商品をいかに売り込むかや、広告のようなイメージが強かったからです。

しかし、この本の中では、そのような考え方(マーケティングは商品の戦い)に対して真っ向から否定しています。

その代わりに、「そもそもベストな商品というのもは存在せず、あるのはただ顧客の心の中にある知覚だけ」という主張がなされていました。

その中でも、特に印象に残ったのが下記の一文でした。

心の中で知覚がどのように形成されるかを研究し、マーケティング計画の焦点をこうした知覚に合わせることによってのみ、あなたは基本的に間違っているご自分のマーケティングの発想を正すことができる。

つまり、ただ商品の性能を良くして、それをアピールすればいいというわけではありません。

顧客の心を変えることは難しく、その前提に経った上で、どのように知覚させるかを設計すること。

それがマーケティングである、ということです。(正直、まだ完全には腹落ちしていません。この本は3回は読み返さないと十分には理解できなさそうです。)

とにかく一番手を目指すべき理由

「マーケティングとは知覚の戦いである」という前提を持った上で、さらに理解が深まったのが、この本で最初に紹介されている「一番手の法則」に関するものでした。

ここでは、まずマーケティングの基本的な課題について述べられています。

マーケティングの基本的な課題は、あなたが先頭を切れる分野を想像することである。これが「一番手の法則」である。他に優っていることよりも、先頭を切ることのほうが大切なのだ。

これには、かなり納得感を持ちました。

上記の一文の後でも解説されているのですが、わたしたちは特定の業界内において、一番手のものはすぐに思い浮かんでも、二番手はほとんど思い浮かばないからです。

例えば、歴史においても同じことがいえます。

世界で最初に何かを成し遂げた人の名前は誰もが知っていても、二番目に成し遂げた人のことは誰にも知られません。

このように、マーケティングにおいては、とにかく一番手になることが重要なのです。

「ググる」と言われるようになるまで

一番手になるメリットの1つとして、ブランド名が商品の総称になる、ということも紹介されていました。

本の中で紹介されていたのは、最初の複写機であるゼロックスについて、「どうやってゼロックスすればいいのかな」とつぶやくという話でした。

ただし、これは時代というか、ジェネレーションギャップなのか。

正直わたしには全く引っかかりませんでした。笑

しかし、そのときにぱっと思い浮かんだのが「ググる」(Googleで検索する)という言葉です。

Googleは、最初から検索エンジンでトップだったわけではありません。

しかし、今日ではインターネットで検索することは、イコール「Google検索すること」を指すようになっています。

このように、圧倒的に一番手になってしまうと、もはやブランド名そのものが商品の総称のようになってしまいます。

ここまで認知度を獲得すると、もはや最強ですよね。

こういう意味でも、やはりマーケティングは商品でなく、知覚の戦いということに納得しました。

デザインとマーケティングのつながり

この本は、デザイナーとして、デザインとマーケティングのつながりを知る上でも参考になりました。

これまで何となく、デザインとマーケティングは密接ではあるものの、あくまで分野としては分かれているものではないかとイメージしていました。

しかし、マーケティングとは「知覚の戦い」という主張を受けた瞬間から、まったく考えは変わりました。

というのも、情報デザインの文脈でも、心理学をベースにして「知覚」についてよく語られるからです。

例えば、WebやアプリのUIデザインでは、ユーザーが画面上で「知覚」した情報をどのように認知させ、その結果どのように行動させるかを設計します。

よって、デザインもマーケティングでも「心理学」は、共通認識を作る上で、1つの重要なキーワードになるでしょう。

実際に、あなたもデザインやマーケティングの本を読んでいて、心理学の用語をよく聞くのではないでしょうか。

おわりに

冒頭でも述べましたが、こちらの本、タイトルでかなり損をしているのではないかと思っています。(わたしが勝手にそう思っているだけですが…笑)

マーケティングに関して、表面的なテクニックではなく、本質的な原則を知ることができます。

もし「マーケティングって、結局なんなんだろう?」と思われている方は、この本を読むことで、何かヒントが得られるかもしれません。

よろしければ、ぜひチェックしてみてください。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

  • 作者: アルライズ,ジャックトラウト,Al Ries,Jack Trout,新井喜美夫
  • 出版社/メーカー: 東急エージェンシー出版部
  • 発売日: 1994/01/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 17人 クリック: 250回
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