Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

作る時間だけじゃない!UIデザインの見積もりで気をつけるポイント

UIデザインの見積もりって難しいと思いませんか?

わたし自身、UIデザインの仕事を頼まれたときに、最初は「このくらいでできるだろう」と返事をしたにもかかわらず、実際には時間が足りずに焦る場面を何度も経験しました。

なぜ、わたしはUIデザインの見積もりを正しく導き出せなかったのでしょうか?

それは「作る時間」だけを思い浮かべて「考える時間」まで見積もりに入れていなかったからです。

あなたも、ひょっとして同じような経験をしたことがあるかもしれませんね。

今回は、そんなUIデザインの見積もりで気をつけるポイントについてお話したいと思います。

UIデザインの工程はこんなにある

冒頭で、わたしは「作る時間」だけを思い浮かべて「考える時間」まで見積もりに入れていなかったとお話しました。

しかし、最終的なUIデザイン案を確定させるためには、実際のところ次のような工程が必要になるのです。

  1. 要件の把握(達成すべきゴールは何か)
  2. アイデア発散(UIデザイン案を発散する)
  3. 収束(発散した中から適切なアプローチを絞り込む)
  4. プレゼン準備(複数案をメリット・デメリットと共に提示する)
  5. プレゼン(ステークホルダーに伝える)
  6. レビュー(フィードバックを経て確定させる)
  7. 抜け漏れ確認(エラーパターンやデータが無い場合の抜け漏れ確認)
  8. 共有用データ作成(コラボレーションツールで共有する)
  9. 引き渡し(FIXを宣言する)

考える時間も見積もりの中に入れよう

「どのくらいでできそう?」と聞かれたときに、わたしはよく次のような考え方をしていました。

「このぐらいの期間でアイデアを出して、このぐらいの期間で収束させてまとめられるかな…」

しかし、上記の考え方だと「作る時間」は見積もれていても、「考える時間」までは見積もれていません。

UIデザインというと、SketchやPhotoshopといったツールを使って、ひたすらビジュアルを作り込むイメージが強いかもしれません。

ですが、同じくらい「考える時間」が必要なのです。

例えば「要件の把握」だけを切り取って考えてみても、「考える時間」の大切さがよく分かります。

仕様書を確認すると、達成すべきゴールと手段が、デザイナーから見れば間違っているように見えるケースも少なくありません。

デザイナーは、与えられた課題を解決しようとするのではなく「本当の課題は何なのか?」という本質を見極めて取り組もうとします。

そのため、達成すべきゴールと手段が間違っていると感じれば、根本的な仕様から提案していかなければならないことも多くなります。

もしも「作る時間」だけを思い浮かべて見積もりをしてしまうと、本当の課題を見逃したまま、ただ作業するだけになりかねないのです。

伝え方を設計する時間も必要

「考える時間」の中でも、UIデザイン案をスムーズに通すために重要になるのが「伝え方を設計する時間」です。

デザインしていると、仮説を突き詰めてたった1つの正解と思われる案だけを提示する場合もあれば、複数案を提示して選びとってもらう場合もあるかと思います。

しかし、サービス会社であれば「デザイナーとして出した結論」と同時に、「検討したその他の案」も提示する方がスムーズになりやすいのです。

なぜなら、サービス会社の場合「作って終わり」ではなく、継続的に改善を重ねる前提でUIデザインもブラッシュアップさせていくことになります。

そのため、時間が経ってからも「そもそも、どうしてこういうUIデザインにしたのか」ということを参照できるようにしておくと便利なのです。

たとえデザイナーとして「明らかにこの案が優れている」と感じていても、後になってから「こうした方がいいんじゃないか?」というコンテキストを無視したフィードバックをもらうことも少なくありません。

そんな時に、「どうしてこちらの案が優れているのか。逆に、どうしてこちらの案は不適切なのか」ということが文章として残されていれば、いつでも説得材料として利用できるようになります。

一見すると「どうして、わざわざそんな面倒なことをしなくてはいけないんだ?」と思われるかもしれません。

しかし、トータルで考えれば、検討したその他の案も文章と共に経緯を残しておく方がスムーズにコトが運ぶのです。

考える時間の重要性を他人にも伝える

これまで述べてきた「考えるための時間」や「伝え方を設計する時間」の重要性を、他人にも伝えることが大切です。

まずは、デザイナー自身が「考えるための時間」や「伝え方を設計する時間」を踏まえて見積もりができるようになることが重要です。

しかし、PMなどデザイナー以外の職種の人も、デザイナーに上記のような時間も必要であることを知っているとは限りません。

これはデザイナーだけに限らず、エンジニアなど他の知的生産を行う職種にも言えることかもしれませんが、他人から見れば手を動かす時間だけが全てであると勘違いされる場合があります。

UIデザインにおいても、実際には「作る時間」の他に、「考えるための時間」「伝え方を設計する時間」も同じくらい必要になるのです。

そこで、「こういう工程でUIデザイン案を決めているのだ」ということをオープンにして説明することで、他職種の人からの理解も得やすくなります。

おわりに

こうして考えると、UIデザインにおいて「言語化すること」の重要性を特に感じます。

サービス会社において、UIデザインはビジュアルだけで完結せず、エンジニアリングやマーケティングなど様々な要素を加味して行われます。

チームで進める仕事だからこそ、自分の仕事がどのように行われるのか相手に伝える努力をすることが大切なのではないでしょうか。

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