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Tortoise Shell

デザイナーによる、デザインやライフハックブログです。

「センスが無くても配色ができる!」系の記事を鵜呑みにしてはいけない

http://www.flickr.com/photos/47738026@N05/6859665475

photo by J.Gabás Esteban

最近、ノンデザイナ向けの配色理論についての記事をよく目にします。

内容はどれも素晴らしいのですが、「センスが無くても簡単に配色できる!」「ノンデザイナーでもかっこいい配色ができる5つのコツ」といった煽り気味なタイトルのつけ方は、ノンデザイナーの方へ誤解を招くので良くないと思っています。

なぜなら、簡単な理論だけを知って実践しても、だいたいうまくはいかないからです。

実際は理論だけ知っても全然うまくできない

これは、実際にデザインしようとしてみると分かるのですが、

「よし、配色の基礎は理解できたぞ!」

「じゃあベースカラーは赤にしたから、目立たせたいこの部分は補色を使えばいいんだな!(カラーピッカーで原色に近い緑色を選択)」

「あれ、なんか違うな…」

というように、だいたい失敗してしまいます。

なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。

実際のデザインでは多くの要素が掛け算で影響する

上記は、色相・彩度・明度や、ベースカラー・アクセントカラーといった配色の基礎的な要素を学んだばかりの方が陥りがちな失敗例です。

実際のデザインでは、白・黒などの無彩色のバランスや明度差、色が用いられている面積、素材(テクスチャ)といった、「面積」「配置」「質感」の3要素なども含めて掛け算で全体の印象に影響してきます。

また、理論通りに配色すれば絶対的に正しいというわけでもなく、「面積」「配置」「質感」のバランスの取り方によって、通常ならば理論的に合わない配色でも美しい作品に昇華させることも可能なのです。

実は、デザイナーはこれらの要素も計算に含めてデザインしているのです。

逆に、いくら配色理論的に調和していても、上記で挙げたように無彩色とのバランスや明度差なども考慮されていなければ調和しない…ということもあるのです。

なので、配色ツールなどでサクッと作ったカラースキームをそのままアプリのUIなどに当てはめてみても、全然かっこよくならない…という罠が潜んでいたりします。

どうすれば実践的な配色スキルが身につくの?

配色スキルは、付け焼き刃の理論だけを知っただけでは身につきません。

筑波大学名誉教授の三井秀樹氏によれば、「明度差」「面積比」「アクセント」といったポイントを抑えてトライアンドエラーに励むことが、配色スキルを身につける良い訓練になるのだそうです。

つまり、理論だけを知るのではなく、実際に試してみることも重要なのです。

ぜひ、 実践的な配色スキルを身につけたいという方は、理論を勉強された後に、実際に何かをデザインしてみてください。

そうしてトライアンドエラーを繰り返すことで、確かな配色スキルが身につくのです。

おすすめ書籍

上記の三井秀樹教授の本で、「美の構成学」という本があります。

これは、人が美しいと感じる要素をデザインやアートの視点から論じられており、大変面白い一冊です。

配色について興味のある方は、さらっと読み終わるのでぜひ読んでみてください。

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

 

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