Tortoise Shell

Webサービスの会社で働くデザイナーが、デザインやライフハックについてゆるく書き連ねるブログです。

流行の変化が激しいWebデザイナーこそ「デザイン史」を学ぼう

デザインの歴史も「流れ」を掴むことが重要

先日購入した『絵ときデザイン史』が素晴らしかったので、紹介したい。

この本は、デザインの歴史を「流れ」で掴むのに大変優れた本だ。 

絵ときデザイン史〈歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる!  画期的なデザイン史の本! 〉

絵ときデザイン史〈歴史が苦手な人、食わず嫌いの人も、これなら覚えられる! 画期的なデザイン史の本! 〉

 

  どうして「流れ」で掴みやすいと良いのか。

それは、歴史は「点」ではなく「線」で見なければ分からないからだ。

「逆説の日本史」シリーズなどで有名な、作家の井沢元彦さんもよく言われている。

原因が結果を生み、その結果がまた次の原因を生む…それが歴史なのだ。

 どうして「点」ではなく「線」で見る必要があるのか

歴史を学ぶのに、一つの時代だけを切り出して学んでいては盲目的になり、全体像が見えなくなってしまう。

デザイン史の本で、とりわけ「通史」を扱った本の中で、こんなに読みやすい本は初めてだ。

こういったデザイン史の本は、アール・ヌーヴォーやモダニズムなど、だいたい特定の時代だけをテーマに語られることが多い。 

例えば、バウハウスについて書かれた本を読んでも、バウハウスそのものについては詳しくなれるが、その前後関係までは掴みづらい。

バウハウスが生まれるにしても、どういった経緯で、どんな社会背景の中で誕生したのかを知ってこそ、バウハウスが今日のデザイン教育に与えた影響の大きさを理解することができるのだ。

そういった事は、一つの時代や分野だけを扱った学術書だけでは掴みきれない。

また、専門的な学術書は分厚くて読み進めるのも大変なことが多く、値段も高くてハードルが高い。

しかし、この『絵ときデザイン史』は、見開き1ページにつき1トピックという体裁を取っており、その時代を象徴するビジュアル+説明文という構成で、各時代の概要と押さえておくべき作品、時代背景をさっと掴む事ができる。

Webデザイナーこそデザイン史をもう一度学ぼう

この本は、既に社会に出てデザイナーをしている人の中で、デザイン史を改めて復習したいという方におすすめだ。

個人的には、特に流行の変化が激しいWebデザイナーこそ「絵ときデザイン史」を勧めたい。

例えば、身近なWebデザインの流行で例を挙げるなら、現在のフラットデザインは、グリッドスタイルなどシンプルで幾何学的な様式が用いられた、1950年代の生まれたスイススタイル(50年以上も前である!)から影響を受けていると言われる。

http://www.flickr.com/photos/49734147@N00/3462609074

photo by The Logo Smith

また、数年前からよく見られる「パララックス効果」などの視差を利用したデザイン手法も、同じく1950年代に生まれた、目の錯覚を利用する「オプ・アート」から影響を受けていると見る文中の考察は大変興味深い

http://www.flickr.com/photos/33255628@N00/4344390384

photo by Cea.

このようなことは、デザインの流行を、ただ目先の現象を追いかけているだけでは知ることができない。

そこに至るまでの経緯を知ることで、歴史の全体像の中で、そのデザインの効果や目的について考えれば、どのように使うのがより正しいのかを知ることができる。

おわりに

フラットデザインもパララックス効果も、突然パッと出てきた流行ではないのだ。

一度、きちんとデザイン史を勉強し直してみたい思っている人にとって、本書は最適な入門書となるだろう。

そして、この本を読み終わって「もっと詳しく知りたい!」と思ったら、巻末の「参考文献」からたどって、改めて専門的な本にチャレンジすることも可能だ。

いきなり専門的な本から読み始めるよりは、「絵ときデザイン史」で通史をざっと学んでからの方が、全体像がわかっている分、理解もしやすくなるだろう。

気になる方は、ぜひチェックしてみてほしい。

絵ときデザイン史

絵ときデザイン史

  • 作者: 石川マサル,フレア
  • 出版社/メーカー: エムディエヌコーポレーション(MdN)
  • 発売日: 2015/11/04
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
 

おすすめ記事セレクション